現状維新 代表デザイナー
福 田 泰 仁
[ ふくだやすひと ]
1989年群馬県生まれ。
現状維新代表。
「 ブランドとは、共感の連鎖を起こす仕組みである。 」という哲学のもと、企業のブランド開発を行っている。「U.V.P.D.」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がけ、数社の企業ブランディングにデザインコンサルタントとして携わる。
ビジョンは、まだない。

ぼくのおじいちゃんは、絵がとても好きでした。おじいちゃん子だったぼくは、彼の指導のおかげで、物心ついた時から絵を描くことが人より得意でした。
当時は「自分には類稀なる才能がある。」と思っていたし、周りの大人からも、よくそう言われました。作品を褒められることや技術を求められることの気持ち良さにずぶずぶにハマったぼくは、小学生の頃から「自分は将来、絵描きになる。」と決めていました。
周りの大人たちも、当然のように「 福田くんは芸術家になるだろう。 」と言ってくれました。
ピカソくらい超えられる。
そう信じていました。
18歳の時までは。
東京芸術大学の入学試験で「 描く動機 」を問われたことをキッカケに、ぼくは「 なぜ絵を描いているのだろう 」と、ぐるぐると考えはじめてしまいました。
あれから10年以上経った今も、答えは見つからないままです。
描く動機がないからこそ、社会から動機を借りて、代わりに自分が出力する。今、ぼくにできる世界の変え方は、商業芸術です。
ビジョンはまだない。でも、世界は変えたい。
そんな想いで、とても幸せに、そしてすこし不満足に、デザインの仕事をしています。